ブッシュ大統領、進化論に異議 「別の考えも教えよ」

ブッシュ米大統領が、進化論に異を唱えるキリスト教右派の主張に同意し、公立学校の授業で進化論以外の考えも示すべきだと発言、波紋を広げている。

進化論意外の考えというのが具体的には「インテリジェント・デザイン(ID)」なる見解で、主にキリスト教右派が好む主張らしい。

人間の複雑な細胞の構造は進化論だけでは説明できず、「高度な理知」の手が入ることにより初めて完成するというのがIDの骨格。一部の学者は支持しているが、「科学の衣をまとった信仰だ」との批判が大勢だ。

との事。
近代キリスト圏が他の文化圏を蹂躙した最大の原因と主張する人もいる政教分離とそれが可能にする科学等の利器をブレーキ取っ払って活用するというパターンが崩されるのはよろしくないとは思う。
けれども、そもそも近代科学というものが「全知全能の神の意思を理解する」という宗教的情熱に支えられ、一神教のひとつの異端として始まったものであり、その面が払拭されることはほぼないということを考慮すると、こういった主張も大してトンデモないものとはいえないわな。「全能の唯一神の存在で世界原理を説明する」というのと、「進歩を重ねいつか全能になるであろう理性による科学で世界原理を説明する」というそれぞれの信仰に本質的な違いは少ない。